Q&A
2010年度の実大震動台実験

Q&A

実験についてみなさんから寄せられた質問にお応えします。

Q1. 実大実験も3カ年計画とのことですが、初年度である2010年度は3年間の流れ中で、どのように位置づけられるのでしょうか? 

伝統的な建物が有すると考えられる耐震性能を実験的・定量的に明らかにすることが主目的です。

Q2. 試験体no.4の製作状況をサイトなどで拝見していますが、総2階の建物です。本来、伝統的な形ではないように思うのですが、検討委員会ではこれを伝統構法を代表するモデルとお考えなのでしょうか? 

今回の実験で対象とする試験体は、地震時の抵抗メカニズムを明らかにすることが主目的ですので、各構造特性が建物の耐震性能にどの様に影響を及ぼすかが明確に把握できる試験体としています。2013年度に計画している試験体では、実際の伝統構法住宅に近い試験体で実験ができればと考えています。

Q3. 今回の実験は、どのような地震波で加振するのですか? 

実際の地震で記録された実地震波(阪神あるいは新潟中越地震時に記録されたもの)と模擬的に作成された日本建築センター波(第2種地盤用に修正 )を予定しています。
1/20(木)午後の公開実験は、安全限界検証用に入力する日本建築センターBCJ=L2波となります。

Q4. 石場建ての試験体の礎石が、実際の建物より随分と大きいようですが? 

実験の都合上、柱脚が礎石から滑り落ちることを防ぐ必要があるために、大きな礎石を採用しています。

Q5. 乾式土壁パネルとは何ですか?
なぜ、土塗り壁でなく乾式土壁パネルを使うのですか? 

乾式土壁パネルとは、荒壁に相当する部分をパネル化して、軸組に取付、中塗り、上塗りをする壁です。
今回の実験では、多くの実験目的があります。湿式の土壁では、一度の実験しか実施できません(土壁が剥落や崩落してしますと実験が継続できません)。なるべく多くのパラメータで検証を行う必要がありますので、簡単に付け替えができる乾式土壁パネルを採用することにしました。

Q6. 各地で行っている構造要素実験と今回の実大実験とはどのように関連していますか? 

今回の実験では、これまでの構造要素実験の結果を参考にしていますが、今後の構造要素実験では昨年度までの要素実験の結果を踏まえて実験計画など検討します。

Q7. 実験で得られたデータやその解析結果の情報は公開されるのでしょうか?  

実験結果は公開する予定です。
また、2011年3月19日(土)にはキャンパスプラザ京都で、2011年3月26日(土)には建築会館ホール (東京) で、報告会を実施します。詳細が決まり次第、このサイトやメールマガジンにておしらせいたします。メールマガジン登録はこちら

Q8. 2008年に、この前の委員会でも実大実験をしています。その実験で得られたことと今回の実験とのつながりは、あるのでしょうか? 

今回の実験では、石場建ての試験体を対象に実施し、柱脚の移動を含めて挙動を数値的に明らかにすることが大きな目的です。直接的に繋がりは意識しておりませんが、上部構造に関して、2008年度の実験結果の知見が生かされる部分もあると考えています。