公開イベント
 

全国6ヶ所キャラバンツアー 講演会「知恵と工夫の設計—伝統建築に学ぶ」
松江会場

出雲大社を始め、多くの伝統的建築物が残る島根県で、島根県文化財所有者連絡協議会、島根県文化財愛護協会、島根県教育委員会の主催で、文化財講座として、今回の講演会を開催させていただきました。

参加者は81名でした。

伝統的構法による木造建築物のこれからの設計法の考え方について 設計法部会の齋藤幸雄主査より、説明がありました。

事例調査の概要について、構法歴史部会の麓和善主査より説明がありました。

民家調査から見えた知恵と工夫を実務者を代表して松井郁夫委員より、ホワイトボードに伝統構法の軸組の模式図を描いて説明がありました。

地元出身である小原公輝委員より、島根県の桜井家住宅、佐々木家住宅について構造的な特徴について解説がありました。

伝統的構法の定義について、過去の建築学会の資料などの変遷からひもといて麓和善先生から説明がされました。

会場には、現在、出雲大社の遷宮の工事携わる大工さん数名も参加いただき、熱心に講演を聴講いただきました。

質疑の時間には、宮大工棟梁から、伝統構法をしたくても、現場がなく、修理が多いとの意見や現在、伝統構法を支えあう異業種でグループを組んで伝統構法を守っている話、また、市民の立場から、「大工さんは、世の中で一番すごい人たち」であるとの発言をいただきました。当初予定を30分過ぎて、17時に終了しました。まだまだ、意見をお聞きしたいところでしたが、アンケートにてたくさんの意見をいただきましたので、後日、意見を整理してここに掲載していきたいと思います。(文責 大江忍)